「やっぱり“トモニ”を選んでよかったと言われる広域金融グループ」をビジョンに掲げ、徳島大正銀行と香川銀行を傘下に置くトモニホールディングス株式会社。限られたIR体制のもと、英文開示の対象拡大と開示資料の英訳内製化をいかに両立するかが、同社の重要なテーマとなっていました。本記事では、IR担当の尾西様に、IR Hub導入の背景、金融機関として妥協できなかったセキュリティ要件、そして導入後に生まれた業務変化について伺いました。連結決算後のわずかな時間で求められる英文開示。従来はサマリ対応が限界だった— 導入前は、どのような課題がありましたか。尾西様:当社では、少人数でIR業務を担っているため、時間的な制約は常に大きな課題でした。株主総会対応や決算関連資料の作成に加え、近年は投資家とのIR面談件数も年々増加しており、業務量は拡大しています。なかでも、東証からの要請を踏まえた英文開示への対応は、限られたリソースの中で特に負荷の大きい業務の一つでした。当社は持株会社であり、徳島大正銀行と香川銀行の両行が単体決算を作成した後に、グループとして連結決算を取りまとめます。そのため、開示までに確保できる作業時間はどうしても限られます。これまでは決算短信のサマリを英文で開示するところまでは対応できていましたが、全文英訳まで行うには人的リソースが不足しており、実現が難しい状況でした。外注も選択肢ではあったものの、費用面の負担に加え、日本語資料が完成してから英文作成に着手するため、リードタイムの面でも当社の開示スケジュールに適合しにくいと感じていました。そうした中でIR Hubをご紹介いただき、これであれば決算短信の全文英訳を内製化できるのではないかと考えました。厳格なセキュリティ要件と、翻訳ノウハウを社内資産化できる点が導入の決め手に— IR Hubの導入を前向きに検討された理由を教えてください。尾西様:検討した選択肢は、「自力で対応する」「外注する」「AIツールを活用する」の3つでした。自力で対応する場合、単に英語ができるだけでは不十分です。開示資料特有の専門用語や表現、投資家に伝わる言い回しを理解したうえで翻訳する必要があり、人材育成にも相応の時間がかかります。そのため、現実的な選択肢としては難しさがありました。外注の場合は、社内にノウハウが残りにくいこと、費用が高額になりやすいこと、そしてリードタイムの長さが課題になります。依頼後に日本語資料の修正が入ることも少なくないため、限られた開示スケジュールの中で安定的に運用するには難しい面がありました。その点、IR HubはAIを活用しながらも、最終的には自社で確認・修正を重ねられます。翻訳結果をそのまま採用するのではなく、自社らしい表現へと磨き込みながら、英文開示の知見を社内に蓄積できる点に大きな魅力を感じました。また、日本語資料と同じフォーマットで出力されるため、完成形をイメージしやすく、レビューも進めやすいと感じました。さらに、銀行子会社を抱える当社にとって、セキュリティは導入検討における最重要項目でした。社内およびシステム子会社を含めて厳格に確認した結果、IR Hubは情報管理の面でも安心して利用できると判断しました。加えて、3か月の試行期間を設けていただき、現場の運用に無理なく適合するかを十分に確認できたことも、導入の意思決定を後押ししました。増員なしで英文開示の対象を拡大。統合報告書や招集通知の全英訳にも対応へ— 導入後、具体的にどのような効果を感じていますか。尾西様:まず、決算短信の全訳が短時間で完了するスピードには驚きました。以前は、翻訳後に画像や数値の配置を手作業で調整する必要がありましたが、IR Hubでは元のレイアウトを維持したまま英訳できるため、確認作業が非常にスムーズです。この効率化により、これまで手が回らなかった統合報告書の全訳にも取り組めるようになりました。今後は、招集通知の全英訳にも対象を広げていく予定です。感覚としては、1人分以上の業務を支援してもらっている印象があります。開示対象が広がり作業量が増えているにもかかわらず、限られた人数で対応できているのは、IR Hubがあるからだと感じています。少人数IRチームでも、持続可能な英文開示体制を築くための選択肢に— 導入を検討している企業に向けて、メッセージをお願いします。尾西様:東証の英文開示要請に応えたいものの、十分に手が回っていない企業にとって、IR Hubは検討に値する選択肢だと思います。決算短信の全文英訳まで対応できていない企業も、まだ少なくないでしょう。外注に比べてコストを抑えつつ、確認・修正を重ねながら英文開示のノウハウを社内に蓄積できる点は大きな魅力です。少人数のIRチームは、担当者の異動や退職で体制が揺らぎやすい面があります。AIを活用して知見を社内に蓄積すれば、属人化を抑えながら持続可能なIR体制を整えられます。まずは一度試し、自社業務との相性を確かめてみる価値があると思います。編集注:お写真はイメージです