「テクノロジーと公正の精神で、豊かさが循環する社会」の実現に向け、BaaS事業(※1)であるNEOBANK®(※2)等利便性の高い金融サービスの提供や、最先端テクノロジーを活用した革新的なビジネスモデルの創造により高い顧客満足度を獲得し、成長を続けている住信SBIネット銀行株式会社。2023年の東京証券取引所スタンダード市場上場以来、少人数体制で、株主総会実務、適時開示および企業開示府令にもとづく法定開示の要否判断、適時開示文案の作成などを担ってきた、同社 総務部長の千田さんとマネージャーの大西さんに、IR Hub導入の経緯や、運用開始後にご期待いただいている点についてお話しいただきました。※ 1 BaaS事業:Banking as a Serviceの略称。銀行が提供しているサービスを、APIを利用し事業会社等が自社サービスとして提供できるようにする仕組みを指します。※ 2 「NEOBANK」とは、住信SBIネット銀行のフルバンキングBaaS(バンキングアズアサービス)サービスブランドです。「NEOBANK®」は住信SBIネット銀行の登録商標。登録商標第5953666号。「ネオバンク®」は住信SBIネット銀行の登録商標。登録商標第455993号。「即戦力」を「即採用できない時間ギャップ」を埋めるAI活用と、属人性の排除ー2025年6月に導入いただきましたが、導入前はどのような課題がありましたか千田さん:日本には約4,000社の上場会社がありますが、上場会社の株式実務、適時開示や企業開示府令にもとづく開示業務を理解し、弁護士と同じ目線・リテラシーで会話しつつ、経営層に分かりやすく説明できる能力を持つ人材は限られており、伝統的な上場会社は内部育成により人材を獲得しています。当社のような後発の上場会社は、そのような人材を「即戦力」として獲得に行くわけですが、内部育成で獲得した人材を放出する企業は少なく、結果的に、多くの上場会社では、知識ある相談相手もいない環境下で、少数の初心者が不安を抱えて実務を進めていると思われます。当社は、開示経験者の私がIPO前に入社ししていたため、開示実務未経験者のみで業務を進めるという事態は回避できましたが、いずれも私も引退する時が来ますので、今のうちに、人に頼らない態勢に転換したく、AI活用での解決策をいくつも模索していました。-内部育成にはどのくらいの時間がかかりますか千田さん:私の経験では、上場会社で開示実務を行うには、①その会社の事業・経営状況を理解する能力、②取締役会等の重要会議の議案の中身を理解する能力、③開示ガイドライン・法令・基準を理解する能力、④弁護士と会話できる言語力、⑤開示の操作方法を理解する、の5項目が必要です。これらを体得するには、少なくとも4年ぐらいかかるように思います。即戦力採用の場合、②~⑤はあっても①を得るには時間を要し、そうなると、即戦力が戦力化するには、やはり一定時間を要することとなります。また、株主総会に限って言うと、通常、年1回しか仕事に触れるチャンスが無いため、4年でも4回しか経験を得られません。株式実務は、短期間で経験値を稼ぎにくいタイプの仕事といえます。ー大西さんはいかがですか大西さん:上場時から株式実務を担当することになりましたが、未経験の業務だったため、当初はプレッシャーを感じていました。 最近になってようやく、過去の開示事例を参考にしながら、ある程度は文書作成ができるようになってきましたが、知見のある人間が突然いなくなった場合、業務継続ができるかという懸念がありました。絶対に止められない仕事なので、特定の人に依存するのは避けるべき業務だと思っています。ChatGPTではなく、IR Hubを導入したワケーIRHubの導入の決め手を教えてください千田さん:株式実務へのAI導入に関しては、開示に限らず全方位で商品・事例を探していました。そうしたなか、いつものようにインターネットで情報収集していたとき偶然、IR Hubが目に留まりました。適時開示におけるAI活用には、「開示事例の収集」、「要否の判定」、「開示文案の作成」の3つのアプローチがあると考えていたところ、それら3要素を一通り取り込んだ、という点で新規性がありました。大西さん:例えば、ChatGPTの活用で事例収集をすることもできますが、結局は、事実の裏取りのための時間が増えるだけで、人間の負担の総量は変わらない。そう考えると、やはりそこに特化した製品でないと厳しいなと感じます。千田さん:Google検索で事例を調べるにしても、検索ワードが間違っているとうまくヒットしませんよね。AIに聞くにしても、前提条件をきちんと知った上で正しく質問をしないと、かえって誤った回答が返ってくる、ハルシネーションを見抜けないという課題もあります。何もわからない人が、部分的にAIやテックを活用しても生産性向上にならない、つまり、株式実務では上流から下流までの一連のパッケージ化されたAIが必要です。ー価格帯はいかがでしたか千田さん:ちょうど良いと思います。高価すぎると「完璧なものが仕上がるに違いない」と思って、緊張感を持った確認を怠ってしまう。でも月々このくらいの金額なら、良い意味で期待しすぎない。笑今のテクノロジー水準では、手放しで任せられるAIは難しいので、疑って確認するくらいの距離感と程よい緊張感が良いのではないかと思います。ー銀行ですと、導入時のセキュリティチェックは特に厳しかったのではないでしょうか大西さん:そうですね、金融機関なのでやはり他社さんよりは厳しいかと思います。当然、外部ソリューションを導入する際のチェックが入ります。適時開示という情報も情報の取扱いに注意が必要なため、かなり厳しくチェックされています。事例検索の精度と、細かい利便性の高さにより、ストレスがクリアにー実際に利用を開始した感想を教えてください大西さん:過去事例の検索性が非常に高かったです。また例えば事例のコピペがすぐ出来る・プレビューで文書の中身がすぐ見られるなどの利便性の高さも、さすがGunosyさんだなと感じました。これまでは調べた事例から一部の情報をコピーする際にPDFからうまくコピーできなかったり、検索した事例のPDFをダウンロードして開かないと内容が確認できないなど、細かいストレスがありましたが、IRHubではそのような細かい点も考慮して作られています。千田さん:実は、当初ネックに感じたのが直近1年間の開示情報しか調べられない*という点でした。でもあまりに古いと法令も変わるし、「1年間」という期間設定は、結果的に問題なかったです。(※2025年7月現在、2023年4月以降のデータが閲覧可能)ーどんな企業にIRHubはおすすめですか大西さん:例えば友人にグロース企業の社長がいますが、本業が忙しく、適時開示業務に時間がかけるのは難しいように思えます。一方で、適時開示は合格点を取らないと退場させられてしまう世界です。過去事例の参照することで防げること、参考となることが多くあり、手助けしてくれるのがIR Hubだと思います。本業で手いっぱいな企業におすすめしたいです。千田さん:上場歴が長い会社でも、株式実務の担当者が高齢化し、後継者をうまく育てられていないという課題を持っている会社もあろうかと思います。IR Hubは、そういった上場会社の受け皿としても考えられるかなと思います。加えて、これから上場を目指す会社が上場後を見据えた体制を構築する際、株式実務を「人」で回す前提にするのではなく、人同等にAIという選択肢も考えてはどうかと思います。そうすることで、日本のIPOの障壁が少しでも下がり、これからの社会を支えるテクノロジーを持つ企業が、盛んに上場を目指してもらいやすくなれば、と期待しています。