「人を超え、時を超え、たいせつなものをつなぐ架け橋となる。」をミッションに掲げ、リユースのあらゆる課題をテクノロジーで解決する、株式会社BuySell Technologies。同社のCFO室長、IR担当を務める森脇さんに、IRHubの導入の背景や、導入後の成果についてお話を伺いました。IR専任者が一人でも、業務の効率化と質の両方を同時に向上ーまずは改めて、森脇さんがご担当されているIR業務の範囲を教えてください森脇さん:現在は一人体制なので、上流から下流まで、IRに関する業務は投資家対応から開示業務まで全て行っています。広報の担当者や、ミーティングの調整やスケジュール管理などを行ってくれるメンバーはいるものの、IR専任は私だけですね。本当は増員したいのですが、採用も育成も大変です。ー導入前はどのような課題がありましたか森脇さん:一人でやっているからこその部分も多いのですが、一つは、業務が集中する時期があることです。決算など日付が決まっているものが多いので、短い期間の中に、必ずやらなくてはいけない多くのタスクを抱えることになります。開示業務もその一つのため、効率的にやらないと回りませんし、質も担保できません。もう一つの課題は、業務の属人化です。開示の内容は特定のフォルダに蓄積していますが、どのような経緯で作成し、どういった承認プロセスを経たか、などの情報を私しか把握していないと、万が一他の人が急に担当することになった場合に、どこから手を付けていいか分からないという状況になりかねません。ーIRHubの導入を前向きに考えたのはどのような理由でしょうか森脇さん:最初にお話を伺ったのは、まだサービスが初期の構想段階の頃でしたが「あ、面白いな」と。例えば開示事例が見られるような他社サービスはありましたが、IR業務の中に入り込んで業務を効率化してくれるサービスは、私が知る限りこれまでになかったため、興味を持ちました。その時に、適時開示前の要否判断の記録を残せるようにしたいとか、同時編集機能が欲しいなど様々な要望を伝えたところ、ほとんどを実現してくれました。開示事例の情報収集も、これまでのGoogle検索などに比べると、欲しい情報がすぐに出てくるようになるのも良かったです。グラフデータも自動翻訳、内製の手間を削減し30分で翻訳ー実際に導入してみた感想を教えてください森脇さん:適時開示の事例収集が便利になった点に加えて、開示文書の翻訳の手間が随分と減ったと感じています。実は当社では元々、翻訳業務を外部へ委託していたのですが、内製化に舵を切った経緯があります。翻訳を依頼しても、日本語文書の変更が相次ぐことにより、結果的に変更箇所は自分たちで翻訳せざるを得ないこと、また表現の揺らぎがあることが課題として上がったためです。表現の揺らぎは、人が作業する限りは仕方ない部分はあると思うものの、一方で、機械であれば、学習していって毎回同じように翻訳してくれます。AIも含めて、機械側の進歩によって、レベルが上がっているということをここ数年で実感しているので、内製化に切り替えました。ー内製化した際に、当初は一般的な翻訳サイトやツールを使って作業されていたとのことですが、その時と比べると、IRHubはどのような点が便利になったと感じますか?森脇さん:そうですね。一番は、ファイルごと翻訳できる点ですね。翻訳ツールだと、該当する箇所をコピーして翻訳して、これで大丈夫かな、と確認して貼り付けるという単純作業が発生し、手間がかかっていました。これをまるっとファイルごと翻訳できるのがIRHubの強みですね。またパワーポイント内でグラフなどを埋め込んでいる場合、通常は翻訳ツールで翻訳されません。グラフ内のデータ、例えば1月、2月、3月といったテキストは、一度Excelを開いて自分で直さないと変わらないのですが、IRHubでは変換されて出てくるんです。多少崩れる部分もありますが、想像以上に細かい部分まで対応してくれるのは驚きでした。これまでは、英訳文書の完成に大体1日ほどかかっていたのですが、IRHubであれば翻訳自体は30分ぐらいで完了します。チェック機能に関しても、これまで別のソフトを使って二重チェックをかけていましたが、IRHub内のAIチェックも活用すれば、表現をわざわざ変える必要はほとんどなかったです。IR人材の育成も見通した、属人化しない体制構築ー今後、例えば新しいメンバーを迎える際に、IRHubがお役に立てるイメージは持てますか?森脇さん:IRの経験者は業界全体でも数が少ない上に、育成に時間がかかるという特徴があります。IRの業務の特性上、3ヶ月単位、もしくは1年に1回しか経験できないといった性質の業務もあるため、最低でも1年、もしくは2年ぐらいはかかります。でも、もし育成対象の方が入ってきたとしても、IRHubがあれば、初歩的な適時開示文書の作成であれば効率化できる上に、金融庁のガイドブックを見ながら学んでいくよりも、育成が早くなるイメージが持てますね。ー最後にどんな企業にIRHubはおすすめですか森脇さん:やはり中小型で、専任者が1人か2人、もしくは他の業務と兼任しているような企業が一番導入後に変化を感じるのではないかと思います。大手企業のようにIR専任のチームがあったり、翻訳専門のチームがあったりする会社とは異なり、IRのリソース自体がそこまで充実していない会社ほど、大きなインパクトを感じると思います。IRに関連する業務は、クオリティも大事ですが、締め切りも決まっています。そういった業務に関しては、ゴールに最短距離で行けるような仕組みが非常に大事だと思います。また、クラウドにデータを蓄積して履歴を残していくことが、担当者が変わった時など、不測の事態に非常に役立つと思います。